あおり検版を知っトク

パラパラ漫画?? 校正の手法「あおり検版」

 
校正の方法は色々ありますが、その中で最も使用されているであろうと思われるあおり検版を紹介したいと思います。
あおり検版とは?とお思いの方は、昔ノートの端っこに漫画をかいてめくるパラパラ漫画を想像してみてください。パラパラと早くめくることで、目の錯覚でまるで動いているように見えるアレですネ。
初校で赤字が入り、修正した原稿と重ね合わせ手で素早くめくり、めくり返す動作を素早く何回も行います。そうすることで変更された箇所が正しく修正されているかを確認することができます。昔ながらの手法なのですが、これがなかなかの精度で、正確に修正箇所が直っていることを目視で確認できます。
 

最近の「あおり検版」もデジタル化

 
最近では、デジタル検版が普及してきています。デジタルの世界でもあおり検版と同様のことができます。初校で提出したデータと再校正で作成したデータを画像化し、重ね合わせ、重ねた上側の画像を表示、非表示を繰り返し行うことで、アナログのあおり検版と同様のことができます。デジタルでは、変更があった部分が強調して表示されるため、アナログよりもさらに正確に修正箇所がわかりやすくなっています。
 

デジタル化でも弱点が

 
便利なあおり検版ですが条件があります。それは、はじめに制作したベースになるものが必要です。それと比較できるものがないとあおり検版はできません。
印刷会社やデザイン会社等は、お客様からのいろいろな原稿、手書き・テキストデータ・office系のソフトで作成されたデータ等の原稿を受け取ります。それらを元にデザイン等を考え、専用のソフトウェアでベースになる制作物を作成します。以前で言う版下ですね。これらは一から制作するため比較する物がありません。そういう場合は超アナログ方式の人の目による一文字ずつ目視で間違いないかどうかを確認します。当初はほぼこの方法しかありません。会社によってはそういったことを専門に行う部署もあり、その道のプロがいるわけです。