六曜「先負」を知っトク

先負の呼び名と吉凶

六曜の一つに「先負」というものがあります。鎌倉、室町時代に伝来してきた当初は「小吉」という名であったものが、江戸時代中後期の寛政・享和年には「周吉」に変わり、そこから現在の「先負」に変化したとされています。「せんぶ、せんぷ」や「せんまけ、さきまけ」など、様々な読み方があります。

旧暦の三月、九月の朔日に当たり、以前はその頃の名前の通り「吉」の日とされていましたが、現在は「先んずれば即ち負ける」「何事も先に急いではいけない」といった意味が伝わっています。

万事に平静であることが良く、勝負事や急用は避けるべき日とされ、「午前は凶、午後は吉」とされています。つまり、午後二時までは「凶」、午後二時以降は「吉」とされています。

 

 

先負と勝負事

先負は先勝とは反対に、「負」という漢字が用いられているため、勝負事には向かない日とされています。室町・戦国時代の武将の間でも、この考えの下、開戦日の吉凶を占うために用いられました。その吉凶と運気・金運を繋げて考える人も多いようで、物を買うのにも向かない日と考えられています。

 

 

先負と吉事

先負は午後の吉の時間を狙えば、吉事にも向いている日といえます。そのため、先負の日の入籍や結婚式は午後に行うことが多く、その他の験を担ぎたいような事柄も午後に行われることが一般的です。一方、凶事に関しては特に注意されていることはありません。